第49章 自分に酔う

「江原武みたいな人間が殺されたってことは、裏の水がそれだけ深いってことよ。あんた、何が調べられると思ってるの? ただの医者が、何であいつらと張り合えるの」

「あいつらって……誰のこと?」

そこまで聞いて、南坂海乃は引かなかった。

「あなた、江原武を殺したのが誰か知ってるの? それとも、全部を動かしてる黒幕を知ってる?」

太田咲雪は視線を逸らし、サングラスを掛け直して、瞳の奥の揺れを隠した。

「知らないわ。何も知らない」

立ち上がってバッグを取り、去る支度をする。

「言うだけ言った。死にたいなら勝手にすればいい。でも颯汰を巻き込まないで。私まで引きずり込まないで。南坂家の昔の件は...

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